いい音とは
いい音ってどんな音?と聞かれることがあります。自分の好きな音がいい音だと答えることもありますが、それでは漠然とし過ぎていますね。実際には、大抵の人がいい音に感じる音というものがあります。音を作る立場にいると、自分の好みで作りつつも、一般的にいい音に感じてもらえるようなものを目指します。では、いい音というのは何を基準に判断すれば良いのでしょうか。
まず、音の基準要素を説明します。低音から高音まで幅広く、かつ均一に再生される周波数特性(f特)、小さな音から大きな音まで幅広く再生されるダイナミックレンジ(Dレンジ)、無音状態でもビートやノイズの少ない高いシグナル/ノイズ比率(S/N比)、そして艶やかさが損なわれる不快な歪みを極力減らし、ステレオやサラウンド環境では自然で効果的な定位を目指します。ほかにも色々ありますが割愛します。
カーオーディオでいい音を目指すには次のポイントをチェックしてみると良いと思います。
・キック、ベース、ギター、ボーカル、シンセ、スネア、ハイハットのどのパートを聴いても鮮明でその楽器の音に聞こえるか。
・キックにアタック感がなかったり、スネアがこもっていたり、ハイハットが耳を突き刺すようなことはないか。
・ベースのフレーズやリズムに合わせてドアの内張りがブンブンと唸ったりしないか。
・ボーカルが細い音(安いダイナミックマイクで録音したような音)になっていないか。
・CDをポーズ状態にして、スピーカーからサーっとノイズが出ていないか。
・センターに定位しているパート(ボーカル、ベース、キック)が左右に振れていたり、定位的にぼやけていないか。
まずはこれぐらいをチェックポイントとして、そこからさらに煮詰めていくとすれば、
・ベースのフレーズを追いかけて聴いていると音量が極端に小さくなる音域は無いか。
・キックの胴鳴り、スネアのリバーブがきれいに聞こえるか。
・ピアノやギターに不自然な歪みが無いか。
とかまあ、聴く音楽によって変わってきますが、全ての楽器が鮮明に鳴っているかを確認します。もちろんシンセパッドやストリングスなど、あえてリバーブでぼやかしているパートもあります。
定位に関しては音質とは別で考えたほうが良いと思います。基本的に定位はセンターにどっしり構えたほうが気持ちいい音と、左右、サラウンドでは後ろに振ると気持ちいい音があり、作り手はそれを意識して作っています。少々脱線すると、実はステレオ2chでも上下の定位が耳の錯覚として存在します。フルレンジスピーカーでも目をつぶると高い音は上から、低い音は下から聞こえてくるんです。定位が広がると、各パートの解像度が上がります。解像度が上がるとますますパートごとの音質の良し悪しが見えてきます。センターに音のぼやけたボーカル、ベース、スネアが混在していると明らかにいい音とは言えないでしょう。つまり音質あっての定位であり、定位だけで音質まで改善できるわけではないので、別物と考えたほうが良いです。
さて、上記のチェックで問題を見つけたときの調整方法ですが、色々あると思います。ケースバイケースですし、機材で解決するものから、配線や施工で解決するものもあります。そこを試行錯誤するのがカーオーディオDIYの醍醐味であるわけで、僕自身まだまだ研究中です。とにかく、何かをやってみて、その変化を感じ取るのが大切だと思います。音は少しずつしか変化しませんから。劇的に変化!というのは、燃費10%アップ!というぐらいウソです。元が悪すぎたか、予想外の方向に変化しただけだと思います。
最後にひとつ。朝は耳が寝ています。徹夜明けなどは最悪です。音のスピードに耳がついていけません。昼以降は耳の調子が良いです。多少音量を上げても鋭く聞き取れます。朝に音の良し悪しを判断するのはやめておいたほうが良いでしょうね。
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