最近はもうびっくりするぐらいピアノトリオしか聞いていません。以前はtsやtpのいるニギヤカなクインテットやカルテットばかりを聞いていたのですが、ほんとにもうピアノとベースとドラムがいればお腹いっぱいという感じです。
そんな中で最近のハマリものは、大阪は新世界の履物屋でジャズレーベルも営んでいるという澤野工房のアルバムです。まあ大抵のジャズ好きの人は知ってるでしょうけど、知らない人のために説明しますと、澤野工房はヨーロッパや日本のジャズアーティストのプロデュースをしています。彼らは現役バリバリのアーティストなので、当然のことながらごく最近に録音されたものばかりです。50~60年代のモダンジャズの録音と比べると、とてつもなくハイファイです。ヒスノイズはほとんど無いし、ドラムもピアノもマイクを何本も立てて録音してありますから、演奏だけでなくステレオ感のある良い音も楽しめるのです。
こういうステレオ録音はここ三十年ほどのポピュラー音楽で発展してきた手法なんですが、モダンジャズが流行した当時はステレオ再生の黎明期でしたから、ここまでステレオ録音の定番的手法が確立されてなかったわけです。ほら、たとえば60年代のビートルズの楽曲でドラムが右のスピーカーだけで鳴ってたりする曲があるでしょ?左右2個のスピーカーを使ってどう鳴らしてやろうかとその時代のエンジニアが工夫を重ねてきて今日に至るわけです。当時の音もそれはそれで、かなり味のあるいい音をしてるんですけどね。
本題に戻りますが、最初に澤野工房を見つけたのは、レコード屋の試聴機でした。北川潔トリオの"Ancestry"が入ってて、なんだこの音の良さは!ともう雷に打たれたようなショックでした。ドラムもベースもピアノも、昔の音源と比べると別世界のクリアさと臨場感でした。ジャズ好きの兄に聞くとやはり澤野工房のCDを何枚か持っていたので、ウラジミール・シャフラノフ・トリオ(名前からしてロシア人?)とヨス・ヴァン・ビースト・トリオ(北欧?)を借りました。これらがまたとてつもなくハマるアルバムでして、まず何より音がいい。そしてビル・エバンス・クインテットのInterplay Sessionsに入ってたお気に入りの1曲目"You and The Night and The Music"をシャフラノフがピアノトリオでやっちゃってるのが物凄くエキサイティング。
ピアノって管楽器に比べると丸い音なのになんてダイナミックに聞こえるんでしょうね。それにこういうスタンダードナンバーを時代を超えて演奏し続けてるのって、なんと頼もしいことか。同じCDを朝晩の通勤途中にリピート演奏させて1日に3~4周聞いていますが、それでも飽きませんね。ほんともう病気かと思うぐらい聞いてます。ほんま、あきません。
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