車検からクルマが帰ってきました。代車は現行レガシィだったんですが、オプションのマッキントッシュ・サウンドシステムが載ってるモデルで、12スピーカーでしたっけ、とにかくいっぱいスピーカーがついていました。これだけたくさんスピーカーがあるとネットワークやら位相の設計が大変だったんだろうなと思います。色々CDを掛けてみると、アナログシステムらしい中低域の艶やかさと、十分なデッドニングが施されているらしくどっしりとした低音が出ていました。しかし定位はいまひとつですね。音が完全に右に寄っていました。アナログでも匠の域に達していると、ボーカルなんかが右のドアに張り付くことは無くて、ダッシュ上にステレオイメージが広がります。多分、メーカーオプションなのでリスニングポジションを運転席オンリーとして設計してないからだと思います。仕方がないですね。でも縦の位相のつながりは良くて、フロントドア1枚に4つもスピーカーが埋まってるとは思えないぐらい自然でした。バランスを少し左に動かすと途端に低音が軽くなっていましたが、これはなぜなんでしょうね。とりあえず純正オプションとしては良い感じでした。帰ってきたうちのクルマのほうが音が良かったですけど(ニヤリ)。
今日はツイーターの調整をしました。自作のチェックCDでホワイトノイズを片チャンネルずつ出してTWの角度調整すると、「サー」とか「シー」とか左右で随分と周波数特性が違ってて、角度によって「上が伸びるけど下が減る(シーという感じ)」とか「上は伸びないけど下が出る(サーという感じ)」に簡単に変化してしまいます。左右とも似たような特性で聞こえる角度にしました。TWの個体差もありますし、自分の耳の特性も左右全く同じではないと思いますから、完全にマイ・セッティングですね。しかしまあTWの左右でこれだけ音が変わるんだから、TWの角度って左右対称がいいというものでもないと思います。ピラー埋め込みツイーターなんて、特性を合わせる自信がないので僕は遠慮したいところです。そして、次はタイムアライメントの調整です。
TAの調整はMIDは500Hz、TWは5kHzか8kHz(ちょっと耳にツライ)ぐらいのサイン波がやりやすかったです。両方のスピーカーを鳴らして位相をあわせても、頭を10cmぐらい横に動かすと見事に位相がずれます。特に高音は波長が短いので結構シビアです。きっちりあわせても、他の人が聞いたら座高や耳の形によっても位相はずれて聞こえると思います。
さらに面白いことが分かりました。まず右のTWとMIDだけでサイン波を鳴らします。TWだけ位相を少しずつずらしていきます。すると、右しか鳴ってないはずなのに、左から聞こえてくることがあります。「んなアホな」と思うでしょう?でもセパレート2WAYでは、2つのスピーカーと耳との距離が同じではないですから、右のTWと右のMIDの音が同じ位相で耳に届くとは限りません。TWから出た音が狭い車内の左のガラスに反射して左耳に到達したときの位相が右のMIDと同位相だったら、右のTWからの直接音よりも左からの間接音がはっきりと聞こえます。最初はクロストークか?とも思ったんですがTAの設定をいじると消えるので違うようです。TAをいじくるなら、センター定位をTWとMIDで別々にあわせてから、左右いっぱいにバランスを寄せて、左右それぞれしっかりと縦のスピーカー間の位相を合わせないといけません。そうしないと、ステレオイメージが狭くなったり、位相の干渉が起きていると思います。TWだけ鳴らして位相をあわせていると、突然左や右に極端に寄って聞こえたりするのは、そういう反射音のイタズラでしょう。
とまあそんな調整をパパッと30分ぐらいでやって、最後に曲を掛けてみるとスネアが少し曇っていたりしていて、おかしいなとTWの位相を少しずらすとスカッと明るくなったりなんかして、結局はこの最後のちょこっと修正が一番効果があったりします。サイン波ばっかり聴いてると頭がおかしくなりますから、こういう非音楽的な調整はまあほどほどにしておいたほうが良いですね。ただ、サイン波やホワイトノイズ相手にTAやスピーカー角度の調整をして変化を体感しておくと、音楽を掛けて何か音がおかしいなと思ったときに、なんとなくどこに原因があるか想像できるようになるんじゃないかなと思います。
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